ある意味,おいしい生活

普通に生活してるだけのはずなのに,それはまるで
前世からの約束のようにろくな目に遭わない人種と
いうのはやはりいらっしゃるようです.つい先日に
何のお導きかメールのやりとりをするようになった
見目麗しき女性が,私もありますよー,心あたり
がんがん.という御自分の人生を語っておられた.

ふたりしておいしい生活をスケッチしたイロモノの
図鑑など作れそうです.ひとまずぼくの一番ココロが
痛んだお話をひとつ.バイト帰りで睡眠不足が昂じて
あーしんど,あー眠い,どうしよーとか思っていた
地下鉄のホーム.しかもそんなにお上品なエリアでは
なく,むしろお家がなくても生きていく勇気を持った
かたがたの多いエリアだったのですね.そんな時.

「しんどいんか?」と声をかけられました.ホームの
ベンチに座ってた時でした.声をかけてきたのは
なんか人の良さそうなおっちゃんでした.自分こそ
扇風機当てたらぶっとんで行きそうなかぼそい声で
「がんばりやぁ,がんばったらええことあるで」と
両手をグーにして胸の前でがしっと.小さいけど
弱々しいけど目立たないけどガッツポーズかなあ.

そうこうやりとりをしているうちに電車が来たので
それに乗り込む.おっちゃんは手ぇ振ってくれてた.
これがあの噂に聞く下町人情というものかしらん.

最初の意図とはズレてますが,これはまたこれで
おいしい生活のひとつに違いない.世の中はね,
ちょっと歩くとネタが結構落ちてるもんですよ.

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