そういえばこんなこともありました.買い物の途中
文房具屋に寄りました.ちょっとした仕事をするため
道具が必要だったので.さて.年齢が一桁を越えてから
遥かなる時間を過ごして来てしまった読者のみなさま,
彫刻刀って最後に握ったのいつのことだか覚えてますか?
木に文字や絵を刻むために必要な細くて鋭い彫刻刀.
最近のお子さまにはちょっと手が出しにくい代物だあ.
なにせこれでも人ひとり怪我させるくらいのことは
日常茶飯事でありましたからなあ.今の若い子はなんて
抹香臭いことを喋るつもりはないのですが,三角刀や
丸刀,切り出し刀や平刀でいろんなもんを刻みました.
イモ版とか木版画とかゴム版がとかそこらへんいろいろ.
お店のかたも「この彫刻刀下さいー」と言ったとたんに
「はい,ゴム板や木板はこちらにございますよー」と
親切に勧めてくれる.うーんと.そういえばこの時期は
年賀状の季節でしたね.えーと.ハガキ大の絵を書いて
それをゴリゴリ削るんじゃなくて.当初の目的はですね,
北欧秘術として伝わる占い用のツールチップを作るために
彫刻刀がいるんです,とは言えないとても言えません.
ここは日本だ,相手の価値観を尊重して角が立たないよう
おかしな奴と思われないよう,うんうんとうなずきながら
ゴム板木板を眺めつつ,そーっと帰りました.さてあとは
海外から取り寄せた時におまけでついてきた空白チップに
正しい文字を刻めるかどうか.はてさてどうなるのかねー.
それはね,ちがうよ.
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