月を跨ぐとは考えていなかったが跨いでしまったものは仕方ない.
とりあえず朝起きた後体温を計ってまた二度寝.すると朝食時に
起こされる.出されたものを食べて三度寝.本当にいい御身分.
午前中回診.どうやら睡眠時に酸素が足りなくなったのは,
睡眠時無呼吸症候群ではないかとの見立て.ああ,あのデヴが
かかる病気ですね.寝てる時の喉の形がよくないと,自分の肉で
気道が確保できなくて自滅するという例のアレですか.今回の
肺が壊れたのとは関係ないから別件で治してとのこと.むしろ
メインの肺炎はかなり治っているので,こちらはもう自宅療養で
よさげ.結局自分の体型のために入院が長引いたのかと思うと
やるせない気持ちになって来ます.惰眠を貪った生活ですけれども
退院は早くしたいのですよ.病院は居心地いいけれど住む場所じゃない.
さて点滴終了.昼ごろに看護師さんから「寝る前の薬がもうないので
自分でなんとか手配してください」とのこと.家から持ってきて
もらった,自分で懇切丁寧に込めた常備薬セット(6日分)がついに
切れてしまったので.ひとまず同居のひとに電話.折悪しくも
家を出たところとのこと.ならば薬は明日回し,ひとまずは
持ってきてもらう用の薬を頭の中でリストアップする.到着して
すぐさま忘れないうちに自分の携帯から七種類の薬を同居のひとの
携帯に飛ばす.七種類程度をすらすら思い出せないのが悲しい.
ぼくの薬の服み方はかなりいいかげんなほう.一日分を少し減らし
寝る前に全部,といったことをやっている.でもそのような話を
しても通じるような看護師ではなく,「一錠の誤差だなんて
恐ろしいこと言わないでください」とかなり怒られた.うー,
自己流では怒られる.早くひとりで薬を管理するようになりたいよ.
今は全部ナースステーションにとられてて,一日分ずつをわざわざ
夜に持ってきてもらうシステムになっている.これが面倒なので
早く退院したい,という理由づけは間違っていますか? 家に帰って
狭い部屋の椅子にぽっこりはまりこんでマシンをいじりたいなあ.
世間はどう思うかは知らないけれどこれも社会復帰のひとつの形.
同居のひとは「退院したら快気祝いパーティーをやるぞ」などと
息巻いていますが,片付けるのはぼくですか? 庭でバーベキュー?
無理すぎる気がしますよ? 多いに夢を語られてしまい,いったい
どうしてくれようと模索中.そのへんの計画については中空に
ほったらかしたままうやむやになるのが一般的な解答である….
息を整えながら廊下を歩いていると,面談室なる部屋にルータっぽい
ものが置いてあることに気がつく.液晶ディスプレイつき.たぶん
ここならいろいろできるんだろうなあと思うけれど使わせては
くれないだろうな.また,廊下の真ん中に「CAT」なるどこかで見た
ケーブル口を発見.AN は Area Network だろうけれど,C って何?
ぼくが今回の件で最初に生き死にの世界を混ぜていた時,それでも
なんだか死ぬつもりはなかったんじゃないの,と言われたことがある.
だけどそれでも,死んでしまえば怨み言も手のひらいっぱいの絶望も
叱ってもらうことができない.そこに反応したかったのかもしれない.
いずれにせよごく私的な感情で他者を大きく巻き込んだことは事実,
いけませんね.ぼくは何に焦っていたのだろう.ひとを信じることの
むずかしさなどについて,いろいろ考えていたのですよ.うーむ.
就寝前の点滴.落ちる速度が遅いなと思っていたら,やはり今日も
時間内には終了せず.腕を曲げていたのが原因かと思われまする.
間に合わせるために看護師が容赦なくダイヤルを開く.しずくは
ぽつり…ぽつり…ではなくぽたぽたぽたぽたぽたぽたと景気よく
落ちて来る.もう腕先がきゅうっとなりましたよ,きゅうっと.
そろそろ自分で
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