ハート形の花火

起床.同居のひとは買い物に出かけ
ぼくはぼくで出かける支度をします.
眠いのですがちょびっとずつ動いて
ようやく出かける.時間を合わせて
待ち合わせをし,モノレールに乗り
会場へ出かける.今日はコンサート.
野外なのでまだ陽射しがじりじりと
肌を灼きます.で,場所取りのため
ブルーシートを張り,その上でただ
自分の睡眠欲を満たすため寝ておく.

で,ごろりんと寝返りを打った際に
眼鏡をぶちこわす.この間修繕して
もらったばかりなのに.それはもう
鶴の部分がぶっちりと.ああ今日は
終わったなと思いました.なんにも
まともに見えやしない.ステージは
はるか遠くで,大型ディスプレイに
ステージのようすも映っていますが
それすらちゃんと見えない.今から
眼鏡を取りに帰る気力もあるわけも
ないため,やけになって寝てました.

二時間ほど焦がされた後,ようやく
コンサート開始.知らない曲も多く
ありましたが,なかなか楽しいこと
たくさんありました.夕暮れの陽が
太陽の塔を照らし,とても美しいと
思いました.その端にはうっすらと
針のような三日月が.世界は美しく
つくられているのだなあと思います.

コンサート終了のころにはすっかり
夜になってました.その最後を飾る
突然の打ち上げ花火.乱視の目には
光のひとつぶひとつぶがぶれ重なり
ハート形に見えるのでした.それは
実にロマンティックでもありますが
乱視用のメガネを早く作らないとと
いうことでもあります.なにせ夜の
足下がよくわかない状態で歩くのと
たまに見える灯りがすべてハートの
形にぶれているのですし.ロマンも
行き過ぎるとおなかいっぱいですよ.

さすがに危険が危なくてタクシーの
行列に並ぶも,なかなか来やしない.
あと十分待とうあと五分待とう,で
ようやく空車がやってきた.これは
粘り勝ちというやつでしょうかねえ.

家に戻って腕時計を外すと,そこに
日焼けの跡ががっつり残ってました.

夏の終わりの名残り

夏の終わりの名残りを噛み締めつつ
シャワーを浴びておやすみなさーい.

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